なぜか

最近よく夢を見る。

なぜだか幼少の頃の夢。

僕が小学校4年の頃、まだ僕らの村には駄菓子屋が3軒しかなかった。

一軒は八百屋との合体型。一軒は文房具との合体型。もう一軒はお好み焼きと合体した僕らの溜まり場の駄菓子屋。

ほとんど毎日友達と居たっけ。

山でカブトムシやらクワガタムシを取ってくると買ってくれる。

”源屋”通称 ゲンパ って名前のファンキ−な駄菓子屋。


そこのおばちゃんがたまに僕らに言うんだ。

「ちょっと買い物に行って来るから店番しとれよ」と、まあまるで僕達を使用人のように使うのである。

しかしその店番にはメリットもあった。 (いつも店番は僕達オンリ−)

冷蔵庫にある食材でお好み焼きをただで作って食べてもいいという。

銭のない僕等ガキンチョには結構楽しい店番だった。

豚肉、えび、イカ たまご の超特盛をおばちゃんが帰ってくるまでに作る醍醐味。

おばちゃんが帰ってきて食材が減っててもそれはそれで暗黙の了解。

しかし、帰ってきてもまだお好みを焼いていると「てみゃ-らええ加減にしとけ!」とどやされる。

今考えると何かを教えたかったのかと考えてしまう。

ある日またいつものように店番を頼まれた。

僕はそん時、十四男ってヤツと店番だった。こいつがまた悪ガキで・・・

その日に限っておばちゃんの帰りが遅かった。

八月の暑い日、あんまり遅いんでアイスキャンデ−5本とお好みウルトラスペシャル。ア−ンド、ミリンダ2本づつを・・・

盛り上がっていると。3歳くらいの子供をつれた女性は入ってきた。

一応店番の僕達はそろって「イラッシャイマセ」。

「あらぼくたち偉いね〜お手伝いしてるの?かき氷ってできる?」って聞かれた。

「うん?はい!何が良いですか?」「じゃイチゴミルクね」。

僕たちが手分けして作ろうとした瞬間。

その子供が手にする何だったっけ?マジンガ−Zだったかな・僕たちが欲しがってた超合金をかじってた。

十四男が僕に「あれ見て!ええもん持っとるなチビ」と言った瞬間に僕たちの遊び心が目覚めた。

まずは、かき氷をかき氷皿に敷き詰め、その上にイチゴシロップを、またかき氷をしき、その上に”マヨネ−ズ”を再び、かき氷を乗せイチゴしろっぷでイチマヨの出来上がり。


おまちどうさま!満面の笑みで持って行った。

暫くするとおばちゃんが帰ってきたのでバトンタッチ。

 その女性は子供に僕達の作ったかき氷を食べさせていた。

僕たちが店を出ようとした時、子供の泣き声が聞こえてきた。と同時に「ちょっと!なにこれ?!」と言う叫び。

「ヤバ!」てんで店を逃げ出した僕ら。

日を変えてまたその駄菓子屋に行ったら。「おう!くそボウズ」かき氷にマヨネ−ズ入れたらいかんだろ」と笑いながら。

十四男の馬鹿がすっとぼけて「あれ練乳じゃないの?」なんて言ったら、そこの親父が十四男のあたまにあられをぶつけた。

後で話を聞いたら、おばちゃん始めに謝ったがあまりにくどいんで逆切れしてしまったらしい。


僕等に加勢したせいか機嫌がよかったんだな、多分。

子供のやったジョ−クだって豪語したらしい。ってことであまりおとがめはなかった。

しかしその日を境にマヨネ−ズは遥か高い棚の上に。

ニヤッと笑って十四男が言った。「まだ味噌がある。今度は宇治金時だ」悪魔のようなヤツだなっと思った。

あんな頃は毎日がエクサイティングだったな。

年を取ると子供に帰る、って聞いた事があるけど、ボケ爺になっらやちゃうかもな回転寿司のシャリ残しのネタ取り。

馬鹿なこと考えてないで今日はもう寝よう。